
麻生久美子“2人の母親”に涙
第32回(2007年12月17日)@ザ・プリンス パークタワー東京(東京・芝公園)
主演女優賞に輝いた麻生久美子が、表彰式で“2人の母親”を前に涙した。晴れの舞台では劇中で母親役を演じた藤村志保から花束を手渡された麻生。千葉の実家から実の母親・春代さんも駆け付け、喜びと感激で涙が止まらなかった。
「久美子ちゃんは、この映画でひたむきに一生懸命。役になりきるための努力を目の当たりにした。久美子ちゃんは映画への情熱を持ったいい子よ」藤村に誇らしげに見つめられた“娘”はこの後、毎日映画コンクール、ブルーリボン賞でも主演女優賞を獲得。報知映画賞と日本アカデミー賞で助演女優賞を手にした98年の「カンゾー先生」と並んで、「夕凪の街 桜の国」(佐々部清監督)は麻生の代表作の一つになった。
麻生の喜びはプライベートでも待っていた。表彰式から間もない12月28日にはスタイリストの伊賀大介さんと入籍。表彰式には伊賀さんも麻生のスタッフの1人として会場入りして、晴れの姿を見守っていた。
この年は最年少と最年長受賞者も誕生した。報知映画賞で初めて平成生まれの受賞者でもある「天然コケッコー」の夏帆の魅力をうまく引き出した山下敦弘監督は32歳1か月で受賞した岩井俊二監督(第20回)を上回る31歳2か月での受賞。「しゃべれども しゃべれども」(平山秀幸監督)などで少ない出番ながら存在感を発揮した伊東四朗は、俳優部門の最年長70歳5か月での受賞となった。
作品賞は周防正行監督が11年ぶりに送り出した「それでもボクはやってない」。日刊スポーツ映画大賞、キネマ旬報ベスト・テン、毎日映画コンクールと国内の主要賞を順調に受賞した。周防監督は前作「Shall we ダンス?」、前々作「シコふんじゃった。」でも作品賞を受賞。3作連続で山田洋次監督に並ぶ3度目の栄冠をつかんだ。3年半の取材活動を経て映画化にこぎつけた作品だけに「今回が一番うれしい」と喜びもひとしおの様子だった。
第32回の受賞者・受賞作
- ■作品賞
- 「それでもボクはやってない」周防正行監督
- 「今まではいかに楽しくウソをつけるかを考えて作っていたけど、今回はウソがあってはいけない。絶対にウソはつかない、それが一番大変でした」
- ■監督賞
- 山下敦弘「天然コケッコー」「松ヶ根乱射事件」
- 「僕なんかがこういうところにいていいのかなと思って緊張してます」
- ■主演男優賞
- 加瀬亮「それでもボクはやってない」
- 「この映画には手応えを感じていた。だから、多くの人が応援してくれたんだと思う」
- ■主演女優賞
- 麻生久美子「夕凪の街 桜の国」
- 「泣かない自信があったんですけれどね。突然、映像が流れると畳みかけられるように次々と…」
- ■助演男優賞
- 伊東四朗「しゃべれども しゃべれども」「舞妓Haaaan!!!」
- 「こんな晴れがましいこと、初めてなんで…」
- ■助演女優賞
- 永作博美「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」
- 「私にとって、大きな作品になった。芝居することが楽しいと思うようになった」
- ■新人賞
- 夏帆(「天然コケッコー」)
- 「映画って楽しい、これからしっかり勉強してかかわりたい」
- ■海外作品賞
- 「今宵、フィッツジェラルド劇場で」ロバート・アルトマン監督
