
寺島しのぶ 母・富司純子と感激の初2ショット
第28回(2003年12月17日)@明治記念館(東京・元赤坂)
報知映画賞史上、初めて親子受賞者が誕生した。第24回に「おもちゃ」(深作欣二監督)などで助演女優賞を獲得した母・富司純子に続き、「赤目四十八瀧心中未遂」(荒戸源次郎監督)で娘の寺島しのぶが主演女優賞に輝いた。
選考会では全会一致での戴冠(たいかん)。表彰式では母から娘に花束が贈呈され、そして握手。意外にも公の場では、これが初のツーショットになった。壇上で互いにモジモジして照れくさそうな様子だったが「映画で活躍し、あこがれ続けてきた母から花束もらえる時がくるなんて。もう感無量!」と声を弾ませる寺島の姿を、母はまぶしそうに見つめていた。
この作品に出るには壮絶な親子げんかもあった。全裸の濡れ場があることから、富司は勘当も辞さない覚悟で出演を反対。「母親として、嫁入り前の娘が裸になってしまったら、もう行けなくなるんじゃないか心配で。娘の度胸にはかないません。今後は何も申しません(笑い)」母にはそんな心配もあったが、寺島は2007年2月にフランス人のアートディレクターのローラン・グナシアさんと入籍。会見では「会話は心臓と心臓の“シン(心)グリッシュ”。エブリタイムキスです」とノロけた娘に、富司は「しのぶは今すごく幸せで本当にいい顔をしていて、見るのがうれしい。(恋愛で苦しんでいるとき)本当に暗い顔しているときもあったから」と喜びをかみしめた。
この年の日本映画界をわかせたのは、「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」のメガヒット。83年の「南極物語」を抜いて、実写邦画の興収1位になる173・5億円を達成し、報知映画賞でも深津絵里が助演女優賞を獲得した。
映画界を飛び越えて日本中のオバさまたちをわかせたのは、韓流の大ブームだ。韓国映画「猟奇的な彼女」が海外作品賞を受賞。アジア映画では初めての受賞になった。韓国熱はNHK-BS2でヨン様ことペ・ヨンジュン主演のドラマ「冬のソナタ」が放送されたこの年から一気に加速。空前の韓流ブームが巻き起こった。
第28回の受賞者・受賞作
- ■作品賞
- 「刑務所の中」崔洋一監督
- 「小さな作品で、公開から時間もたっていた。それを評価してもらったことがうれしい」
- ■監督賞
- 恩地日出夫「わらびのこう 蕨野行」
- 「来年はフィルム担いで全国を歩きながら、次のアイデアを拾いたい。本当に、この受賞が応援になるね」
- ■主演男優賞
- 西田敏行(「ゲロッパ!」「釣りバカ日誌14」)
- (この年の3月に心筋梗塞で倒れたが)「『ゲロッパ!』という響きはしのんでいただく時にちょっと悲しい気分になれない。『釣りバカ日誌』も遺作となると。今のタイトル2作では死ねない」
- ■主演女優賞
- 寺島しのぶ(「赤目四十八瀧心中未遂」)
- 「この賞は、久しぶりにタンスからズボンを取り出したらポケットの中に1万円が入っていたような幸運」
- ■助演男優賞
- 宮迫博之(「13階段」「蛇イチゴ」)
- 「妻にはきょうの朝、出てくる時に報告したら『賞金は出るの?』。出るって答えたら『山分けな』だって」
- ■助演女優賞
- 深津絵里(「阿修羅のごとく」「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」)
- 「表彰式に出席できず、喜びを全身で味わえなくって残念です。映画を見て下さった皆さんと、スタッフの方々、そして作品との出会いに感謝し、これからも頑張りたいと思います」(仕事のため欠席。メッセージが読み上げられた)
- ■新人賞
- 石原さとみ(「わたしのグランパ」)
- 「母が吉永小百合さんの大ファンなので、いつか共演できたらうれしい」
- ■海外作品賞
- 猟奇的な彼女(クァク・ジェヨン監督)
