
宮沢りえと山田洋次監督 再会の抱擁
第27回(2002年12月26日)@ホテル西洋銀座(東京・銀座)
「カントク~ッ!!」「りえちゃん」―。「たそがれ清兵衛」で主演女優賞、監督賞をそれぞれ受賞した宮沢りえと山田洋次監督は、会場の廊下で人目もはばからず再会の抱擁。ともに初受賞となった喜びを分かち合った。
宮沢は「実は役が決まらない脚本執筆の時から、ぼくはりえちゃんを想定して書いていたんだよ」という山田監督の言葉に応える熱演を見せての受賞。重みのあるブロンズ像をきゃしゃな体でしっかりと受け取り、あふれんばかりの笑顔で何度も持ち替えた。
自身75作目、71歳で初の時代劇に挑んだ「寅さん」シリーズの巨匠、山田監督は「幸福の黄色いハンカチ」(第2回)「息子」(第16回)で作品賞を獲得しているが、監督賞は初めて。その後「隠し剣 鬼の爪」(04年)「武士の一分」(06年)と続く藤沢周平時代劇三部作はいずれもヒット作になった。
俳優としては最年長36歳10か月という遅咲きの新人賞に輝いたのは「ミスター・ルーキー」(井坂聡監督)の長嶋一茂。覆面をかぶった阪神のリリーフエースという役柄は元プロ野球選手ならではのハマり役だったが、俳優・長嶋一茂はこの1本では終わらなかった。05年には「男たちの大和/YAMATO」に出演。そして08年には主演・製作総指揮を執った映画「ポストマン」を送り出す。
その初日舞台あいさつでは、駆け付けた父・茂雄氏を前に「父と初めて見に行ったのは『柳生一族の陰謀』(78年)。小学生のころ。楽しそうな父の横顔を今でも思い出す。野球選手としても喜ばせたかったけど、いつか父を喜ばせる映画を作りたいという気持ちも芽生えた」と告白。映画人としての第一歩を踏み出した。
また海外作品部門は「モンスターズ・インク」が受賞。アニメ作品が作品賞を受賞したのは報知映画賞では洋邦を通じて初めての快挙になった。
第27回の受賞者・受賞作
- ■作品賞
- 「たそがれ清兵衛」山田洋次監督
- ■監督賞
- 山田洋次「たそがれ清兵衛」
- 「苦心さんたんになりながら、日本映画をつくっていきたい」
- ■主演男優賞
- 田辺誠一「ハッシュ!」「害虫」
- 「20年後、受賞された方がこれを見た時に『田辺誠一も取った賞なんだ』と思われるように頑張らないといけないと思うんです。努力しないといけないな、と」
- ■主演女優賞
- 宮沢りえ「たそがれ清兵衛」
- 「(ブロンズ像を手渡され)重~い!」
- ■助演男優賞
- 石橋凌「AIKI」「DOGSTAR」
- (ロックバンド「ARB」の活動も再開し)「二足のわらじが認められた。賞をもらったことは自分がやってきたことが正しかったという確認になった」
- ■助演女優賞
- 菅野美穂「化粧師」「Dolls」
- 「『化粧師』の撮影は昨年の春のことでしたので、思いがけないご褒美を頂いたような感じがしています」(海外での仕事のため欠席。メッセージが読み上げられた)
- ■新人賞
- 長嶋一茂「ミスター・ルーキー」
- 「(芸能界は)実感がない世界だったけど、賞をもらえて、ヒットぐらいは打てたのかなという感じです」
- ■海外作品賞
- 「モンスターズ・インク」ピート・ドクター監督
