
三浦友和 デビュー27年目で初の主演男優賞
第24回(1999年12月27日)@ホテル西洋銀座(東京・銀座)
不良教師を演じた「台風クラブ」(相米慎二監督)での助演男優賞受賞から14年。72年にテレビドラマ「シークレット部隊」でデビューした三浦友和が、俳優生活27年目にして初めての主演男優賞に輝いた。
「手に汗握るって言うんですか。こんなに緊張することってなかったですね」「M/OTHER」「あ、春」の2作で栄冠を手にした三浦はこの時47歳。スポットライトを浴びたかつての二枚目スターの顔は、ちょっと照れくさそうだった。受賞の知らせを聞いた百恵夫人(旧姓・山口)は、「ぼくが映画が大好きで、こだわっているってことを知っているから本当に喜んでくれました」という。
20代のころは百恵さんとのコンビで次々にヒット作を飛ばしたが、結婚して10年くらいは「彼女の残した足跡を超える俳優にならないと、世間に対して申し訳ないという気負いがあった」。そんな気負いが吹っ切れたのは「台風クラブ」のころ。対象作にもなった「あ、春」でもメガホンを執った相米慎二監督(01年死去)は表彰式にも駆けつけ、こう言った。「三浦友和はもっともっと年をとってから面白くなる。50歳を過ぎたら、もっと良くなるよ」
その言葉通り、三浦は55歳になった2007年度に「転々」「松ヶ根乱射事件」でブルーリボン賞、キネマ旬報ベスト・テンの助演男優賞を獲得。「松ヶ根―」で三浦を起用した山下敦弘監督は、相米監督の影響を受けたというから、その系譜はしっかり受け継がれていた。
主演女優賞の風吹ジュンは第16回に「無能の人」(竹中直人監督)で助演女優賞を獲得して以来、8年ぶりのカムバック受賞。その一方で監督賞は第10回に制定されて以来初めての該当者なしに終わった。
第24回の受賞者・受賞作
- ■作品賞
- 「金融腐蝕列島 呪縛」原田眞人監督
- 「題材が経済小説なので興行的には難しいと思っていたが成功できてうれしい」(製作総指揮の角川歴彦氏)
- ■監督賞
- 該当なし
- ■主演男優賞
- 三浦友和「M/OTHER」「あ、春」
- 「この受賞で、ぼくの芝居がうまくなったなんて勘違いはしたくない。賞はいい脚本、いい監督、いい共演者があって初めてもらえるもの。ぼくは作品の代表として受け取るだけです」
- ■主演女優賞
- 風吹ジュン「コキーユ 貝殻」「金融腐蝕列島 呪縛」
- 「前回のトロフィー? 実は箱に大事にしまってあるんです」
- ■助演男優賞
- 椎名桔平「金融腐蝕列島 呪縛」「なで肩の狐」
- 「表彰式に出席できず、大変残念です。『金融―』の現場は、大変充実した1か月半でした。素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんとご一緒できたこと、それだけでも大変うれしいことでした。それに加え、助演男優賞までいただくことができ、二重の喜びです」(仕事先のバリ島から帰国予定も便が欠航。メッセージが読み上げられた)
- ■助演女優賞
- 富司純子「あ、春」「おもちゃ」「ドリームメーカー」
- 「素晴らしい賞をいただきとても光栄です。2000年に向かって、もっと頑張れという激励をこめたごほうびだと思います」
- ■新人賞
- 池脇千鶴「大阪物語」
- 「今まで何ともなかったけど、きょうになって緊張してきた。帰りとうなってきた」
- 塩田明彦監督「月光の囁き」「どこまでもいこう」
- 「新人賞は役者さんがもらうものだと思っていたので、驚きました。役者の才能に助けられました。この賞の半分は彼らのものです」
- ■海外作品賞
- 「恋に落ちたシェイクスピア」ジョン・マッデン監督
