HOME > 報知映画賞 > 報知映画賞ヒストリー

報知映画賞ヒストリー

1976~1990 | 1991~2005 | 2006~2011

マルサVSゆきゆきて 作品賞めぐり大激論

第12回(1987年12月28日)@東條会館(東京・半蔵門)

 大激論の末、伊丹十三監督の「マルサの女」が作品賞に輝いた(詳細は選考経過に)。

 史上最高の視聴率を叩き出したこの年のNHK大河「独眼竜政宗」に出演した陣内孝則、津川雅彦、桜田淳子、髙嶋政宏の4人が受賞で再び顔を合わせた。政宗役で一躍、全国区となった渡辺謙もステージに。「今日はボク、脇ですから」と表彰式の主役となった共演者を祝福した。

 華やかな表彰式でただ1人、会場の涙を誘ったのが主演女優賞を受賞した大竹しのぶだった。この年7月に最愛の夫であるTBSの看板プロデューサーで演出家の服部晴治さんががん性腹膜炎のため亡くなった。女優の中村晃子との三角関係をへて82年に挙式したが、その1年4か月後に服部さんのがんが判明。女優業のかたわらで4年間の闘病生活を支え続けた。

 受賞作「永遠の1/2」(根岸吉太郎監督)も看病しながらの撮影。それだけに「今まで何度か賞をいただいたけど、心からうれしいと思ったことはありませんでした。本当にうれしい」。気丈に振る舞う姿がさらに観客の心を打った。根岸監督は「僕は(看病をしていることを)知らなかった。しのぶちゃんは映画ともう一つの演技をしていたんだね」と名演の影に隠れた大竹の苦労に涙していた。

第12回の受賞者・受賞作

■作品賞
「マルサの女」伊丹十三監督
「監督業? やっと少し映画が分かってきた程度です」
■監督賞
原一男「ゆきゆきて、神軍」
「うれしさ半分。複雑な気持ち。僕は映画に毒を込めたつもりですが、賞に入るということは毒がなかったことになるんじゃないかと」
■主演男優賞
陣内孝則「ちょうちん」
「極めて純度の高い、権威のある賞なんでしょ? 最高の自信になりますよ」
■主演女優賞
大竹しのぶ「永遠の1/2」
「これまでの人生で最も長い1年でした。特に(夫が亡くなった)7月以降は…。今まで賞を受けてもヒシヒシとうれしさを実感したことはありませんでした。今回のは意味が付いちゃったから…正直言ってうれしい」
■助演男優賞
津川雅彦「マルサの女」
「100%、伊丹さんの言うとおりやりました。だから賞が取れたんでしょう」
■助演女優賞
桜田淳子「イタズ-熊-」
「ファッショナブルな現代劇では決して得られない貴重な体験をさせてもらいました」
■新人賞
髙嶋政宏「トットチャンネル」「BU・SU」
「ほかの賞と違って一生にワンチャンスですからね。でも、まだウソなんじゃないかと。一家で映画を作ったら? 将来の夢です」
■海外作品賞
「グッドモーニング・バビロン!」パオロ・タヴィアーニ監督、ヴィットリオ・タヴィアーニ監督

選考経過を見る

第12回 表彰式の紙面

  • 紙面イメージ
  • 紙面イメージ
  • 紙面イメージ

ページTOP

1987年度 国内主要映画賞

第30回ブルーリボン賞
  • 作品賞;マルサの女
  • 監督賞:原一男
  • 主演男優賞:陣内孝則
  • 主演女優賞;三田佳子
  • 助演男優賞:三船敏郎
  • 助演女優賞:秋吉久美子
  • 新人賞:髙嶋政宏
  • 外国映画賞:アンタッチャブル
第61回キネマ旬報ベスト・テン
  • 日本映画作品賞:マルサの女
  • 監督賞:伊丹十三
  • 主演男優賞:時任三郎
  • 主演女優賞:宮本信子
  • 助演男優賞:津川雅彦
  • 助演女優賞:桜田淳子
  • 新人男優賞:髙嶋政宏
  • 新人女優賞:秋吉満ちる
  • 外国映画作品賞:グッドモーニング・バビロン!
第42回毎日映画コンクール
  • 日本映画大賞:マルサの女
  • 監督賞:原一男
  • 男優主演賞:津川雅彦
  • 女優主演賞:十朱幸代
  • 男優助演賞:三船敏郎
  • 女優助演賞:石田えり
  • 新人賞:髙嶋政宏、南野陽子
  • 外国映画ベストワン賞:バウンティフルへの旅
第11回日本アカデミー賞
  • 最優秀作品賞:マルサの女
  • 最優秀監督賞:伊丹十三
  • 最優秀主演男優賞:山崎努
  • 最優秀主演女優賞:宮本信子
  • 最優秀助演男優賞:津川雅彦
  • 最優秀助演女優賞:かたせ梨乃
  • 最優秀外国作品賞:プラトーン

この年の主な出来事

昭和62(1987)年
  • 国鉄が分割・民営化
  • NY株式市場、史上最大の暴落
  • 安田火災海上がゴッホの「ひまわリ」を53億円で落札
  • 利根川進博士がノーベル医学・生理学賞受賞
  • 広島・衣笠祥雄選手、連続2131試合出場で世界記録
  • 俳優・石原裕次郎が死去