
オスカーを前に、本木雅弘が14年ぶりの夫婦ツーショットを披露
第51回(2009年2月3日)@東京・銀座ブロッサム
主役はもちろん、第35回以来16年ぶりの主演男優賞に輝いた本木雅弘だった。結婚した95年以来、14年ぶりに妻・内田也哉子とのツーショットを披露して、授賞式を盛大に彩った。
助演女優賞の義理の母・樹木希林と史上初めて"親子"の同時受賞というめでたい話題も、受賞の喜びを倍増させるはずだったが「樹木さんと同時受賞というより、妻と同席していることが緊張する」。華やかな舞台は百戦錬磨のはずの本木も、このときばかりは照れから表情を硬くした。
ツーショット実現は、母の計らい。樹木は、毎年恒例で行っている東京・巣鴨のとげぬき地蔵尊の豆まきのために授賞式を欠席。代理として内田を授賞式へと送り出した。親子の同時受賞も初めてだが、授賞式の壇上で夫婦がそろうことも初めて。
この年、日本映画界にとっても歴史に残った1年だった。授賞式から20日後には、本木は世界へとはばたいた。本木が企画を思い立ってから十数年かけて映画化にこぎつけた「おくりびと」が、邦画として史上初の米アカデミー賞外国語映画賞受賞という快挙を成し遂げた。ブルーリボン賞の授賞式では、すでに映画賞を総なめ状態にあっただけに「個人的には、もう十二分に満足している。これ以上、望むことはない」と話していたが、自身の想像をも超える作品へと成長。オスカーの授賞式には、再び夫婦そろって臨み、喜びを分かち合った。公開2週間前にカナダ・モントリオール国際映画祭でグランプリを受賞してから、獲得したタイトルは、オスカーを含んで96冠にもなった。
内田家に主役をゆずったものの「おくりびと」を抑えて作品賞となったのが「クライマーズ・ハイ」。地方紙の新聞記者を主人公にした作品。堺雅人が助演男優賞を受賞し、2冠。在京スポーツ新聞7社の映画担当記者で構成される東京映画記者会が制定する賞だけに、原田眞人監督も「取るべき賞を頂いたという感じで非常にうれしい」と、一層ふくらむ喜びを語った。
また特別賞には、この年に亡くなった市川崑監督と緒形拳さん。市川監督は、三船敏郎さんと並んで最多6度目の受賞。監督として単独最多受賞回数となった。
第51回の受賞者・受賞作
- ■作品賞
- 「クライマーズ・ハイ」原田眞人監督
- 「取るべき賞を頂いたという感じで非常にうれしい。この映画が注目を浴びることをキッカケに、日本の報道に新たな時代が来ることを願ってこの賞をかみ締めたい」
- ■監督賞
- 是枝裕和監督「歩いても 歩いても」
- 「映画監督と言われるのが居心地が悪かったけど、これで監督としてやっていけるかな、と思えました」
- ■主演男優賞
- 本木雅弘「おくりびと」
- 「申し訳ないぐらい光栄。(義父の内田)裕也さんも“ロック”の69歳になられて、おめでたいことが重なった。運がつきすぎて内田家が今後どうなるか怖い」
- ■主演女優賞
- 木村多江「ぐるりのこと。」
- 「皆さんに取らせてもらって感謝の気持ちでいっぱいです。このままじゃダメになると思っていた時期に出会った作品。改めて演技が好きなんだと思えました」
- ■助演男優賞
- 堺雅人「クライマーズ・ハイ」「アフタースクール」
- 「不機嫌に見えるくらいの戸惑いです。記者が中心となって選んでくれて受賞できたのがうれしい」
- ■助演女優賞
- 樹木希林「歩いても 歩いても」
- 「役者っていうのは、運というのが相当ある。ついてましたね。(義理の息子・本木と)受賞の話はしてません。やっぱり遠慮がある」
- ■新人賞
- 吉高由里子「蛇にピアス」
- 「これからも、こういう賞を頂いたので、前向きに前のめりに頑張っていきたい。(10代最後の作品に)自分の中にも記念を残せたことがよかった」
- リリー・フランキー「ぐるりのこと。」
- 「45歳になって膝(ひざ)とか肘(ひじ)とか、間違ったとこに毛が生えてきたり、おならしてもおならかどうか分からなくなってますので、受賞は励みになります」
- ■外国映画賞
- 「ダークナイト」クリストファー・ノーラン監督
- ■特別賞
- 故・市川崑監督(5度の受賞歴を持つ。長年の映画界への功績をたたえて)
- 故・緒形拳さん(2度の主演男優賞受賞。長年の映画界への功績をたたえて)
- 邦画ベスト10
- 明日への遺言(小泉堯史)
- アフタースクール(内田けんじ)
- 歩いても 歩いても(是枝裕和)
- おくりびと(滝田洋二郎)
- 母べえ(山田洋次)
- 崖の上のポニョ(宮崎駿)
- クライマーズ・ハイ(原田眞人)
- ぐるりのこと。(橋口亮輔)
- トウキョウソナタ(黒沢清)
- 闇の子供たち(阪本順治)
- 洋画ベスト10
- アイアンマン(ジョン・ファヴロー)
- インディ・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国(スティーブン・スピルバーグ)
- JUNO/ジュノ(ジェイソン・ライトッマン)
- ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(ポール・トーマス・アンダーソン)
- 潜水服は蝶の夢を見る(ジュリアン・シュナーベル)
- ダークナイト(クリストファー・ノーラン)
- ノーカントリー(ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン)
- ラスト、コーション(アン・リー)
- ラスベガスをぶっつぶせ(ロバート・ルケティック)
- レッドクリフ PartⅠ(ジョン・ウー)
(50音順)