
司会の夏目雅子の“結婚宣言”に報道陣びっくり
第26回(1984年2月9日)@イイノホール(東京・内幸町)
第36回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを獲得した「楢山節考」の緒形拳に、第7回モントリオール世界映画祭でも主演女優賞を獲得した「天城越え」の田中裕子。国際映画祭で活躍し主演賞の2人に代わって主役の座についてのは、前年の主演女優賞で司会を務めた夏目雅子だった。
授賞式後に行われた記者会見。前年11月からの休業中だった夏目はその間、交際中だったCMディレクターで作家の伊集院静氏とハワイ旅行に出かけたことなどをにこやかに報告。「彼の祖国である韓国(両親が韓国人)にも一緒に行ってみたい。彼と一緒に暮らせるようになれたら」と事実上の結婚宣言で、報道陣の注目を一身に浴びた。夏目は84年8月に伊集院氏と結婚した。
「南極物語」(蔵原惟繕監督)が配給収入59億円という記録的な数字で邦画最高の成績をあげたこの年は、フレッシュなスターも誕生した。デビュー作「時をかける少女」で見事な演技を披露した原田知世が新人賞を受賞。原田は当時16歳1か月。第16回に16歳8か月で助演女優賞を受賞した二木てるみを上回り、歴代受賞者の史上最年少記録になった。もう1人、新人賞を受賞したのが、自主製作で主演も務めた「竜二」の金子正次。しかし映画公開直後の83年11月に33歳という若さで急逝。「その鮮烈なデビューは新人賞に値する」と、東京映画記者会は新人賞を贈ってその功績をたたえた。
第26回の受賞者・受賞作
- ■作品賞
- 「東京裁判」小林正樹監督
- 「東京裁判は戦後の原点。日本映画界の誰かがやらなければいけない仕事だった」
- ■監督賞
- 森田芳光「家族ゲーム」
- 「できれば作品賞を取りたかった。作品賞ならスタッフみんなで喜べますから」
- ■主演男優賞
- 緒形拳「楢山節考」「陽暉楼」「オキナワの少年」「魚影の群れ」
- 「去年はホームランこそなかったが、打率がよかった。いつまでも賞の常連と言われ続けたいですね」
- ■主演女優賞
- 田中裕子「天城越え」
- 「仕事を始めて5年になるけど、その区切りに好きでやった仕事でこのような賞をいただき、うれしい。ウ~ン」
- ■助演男優賞
- 田中邦衛「逃れの街」「居酒屋兆治」
- 「女房、子供の見てない風呂場で、カール・ルイスをまねて、思わずガッツポーズをしたスよ」
- ■助演女優賞
- 永島暎子「竜二」
- 「金子(正次)さんに助けられて一生懸命やっただけです」
- ■新人賞
- 原田知世「時をかける少女」
- 「忙しくて、1年以上先のことが分からないのがちょっぴり不安。でも今は何をやっても興味が持てて面白い」
- 金子正次「竜二」
- ■外国映画賞
- 「フラッシュダンス」エイドリアン・ライン監督
- ■スタッフ賞
- 「南極物語」(極地での苦難の撮影と記録的なヒットに対して)
- ■特別賞
- 大島渚監督と「戦場のメリークリスマス」(合作映画に新しい道を開き、世界で評価されたことに対して)
- 邦画ベスト10
- 天城越え(野村芳太郎)
- 家族ゲーム(森田芳光)
- 魚影の群れ(相米慎二)
- 細雪(市川崑)
- 戦場のメリークリスマス(大島渚)
- 東京裁判(小林正樹)
- 時をかける少女(大林宣彦)
- 楢山節考(今村昌平)
- ふるさと(神山征二郎)
- 竜二(川島透)
- 洋画ベスト10
- ガンジー(リチャード・アッテンボリー)
- スター・ウォーズ/ジェダイの復讐(リチャード・マーカンド)
- ステイン・アライブ(シルベスター・スタローン)
- ソフィーの選択(アラン・J・パクラ)
- ディーバ(ジャン=ジャック・ベネックス)
- トッツィー(シドニー・ポラック)
- フィツカラルド(ヴェルナー・ヘルツォーク)
- フラッシュダンス(エイドリアン・ライン)
- 評決(シドニー・ルメット)
- 48時間(ウォルター・ヒル)
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