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ブルーリボン賞ヒストリー

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中村錦之助を長門裕之が逆転 史上最年少で主演賞に

第10回(1960年2月5日)@ガス・ホール(東京・銀座)

 3回の投票の末、長門裕之が中村錦之助(後の萬屋錦之介)をひっくり返して主演男優賞をさらった。

 「にあんちゃん」ほかの長門か、「浪花の恋の物語」の錦之助か、それとも「人間の條件」の仲代達矢か。最初の投票で3人に絞られ2次投票になったが、この時は錦之助24、長門14、仲代12の順だった。ところが決選投票では長門25対錦之助22と逆転。前年の市川雷蔵の27歳を更新する26歳の最年少主演男優が誕生した。この記録は第24回(81年度)に永島敏行が25歳2か月で受賞するまで、21年間破られなかった。

 雷蔵の祝福を受けた長門は「僕みたいな若い俳優がもらうのはちょっと出過ぎたことのようにも思えるんですよ」と謙虚な姿勢。主演男優の先輩・雷蔵は「そんなことないさ。映画界はもっともっと若返ってもいいと思うよ。でも長門君、これからが大変だよ」と激励した。

 長門と争った2人は仲代が第13回に、錦之助は第14回に主演男優賞を獲得。そして当の長門はもっと大きなものを手にする。翌61年3月、婚約中だった女優の南田洋子と挙式。新たな人生のスタートを切ることになる。

第10回の受賞者・受賞作

■作品賞
「キクとイサム」今井正監督
■監督賞
市川崑「鍵」「野火」
■主演男優賞
長門裕之「にあんちゃん」ほか
■主演女優賞
北林谷栄「キクとイサム」
■助演男優賞
小沢昭一「にあんちゃん」
■助演女優賞
新珠三千代「私は貝になりたい」「人間の條件」
■新人賞
該当なし
■脚本賞
水本洋子「キクとイサム」
■撮影賞
小林節雄「野火」
■技術賞
足立伶二郎の殺陣と東映剣会
■企画賞
山本プロ「荷車の歌」「人間の壁」
■音楽賞
林光「第五福竜丸」「荷車の歌」「人間の壁」
■大衆賞
月形竜之介(娯楽映画に尽くした功績)
■特別賞
東映「警視庁物語」シリーズのスタッフ、キャスト
■外国映画賞
「十二人の怒れる男」シドニー・ルメット監督
■日本映画文化賞
該当なし
■教育文化映画賞
「秘境ヒマラヤ」
■ニュース映画賞
朝日ニュース七四一号「伊勢湾台風のその後・災害地は訴える」
邦画ベスト10
1.キクとイサム(今井正)
2.野火(市川崑)
3.にあんちゃん(今村昌平)
4.荷車の歌(山本薩夫)
5.人間の壁(山本薩夫)
6.浪花の恋の物語(内田吐夢)
7.人間の條件・一、二部(小林正樹)
8.人間の條件・三、四部(小林正樹)
9.第五福竜丸(新藤兼人)
10.鍵(市川崑)
洋画ベスト10
1.十二人の怒れる男(シドニー・ルメット)
2.灰とダイヤモンド(アンジェイ・ワイダ)
3.いとこ同志(クロード・シャブロル)
4.恋人たち(ルイ・マル)
5.年上の女(ジャック・クレイトン)
6.わらの男(ピエトロ・ジェルミ)
7.さすらい(ミケランジェロ・アントニオーニ)
8.私は死にたくない(ロバート・ワイズ)
9.影(イェジー・カヴァレロヴィチ)
10.北北西に進路を取れ(アルフレッド・ヒッチコック)

第10回に関する紙面

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59年度 国内主要映画賞

第33回キネマ旬報ベスト・テン
  • 日本映画作品賞:キクとイサム
  • 監督賞:今井正
  • 男優賞:船越英二
  • 女優賞:新珠三千代
  • 外国映画作品賞:十二人の怒れる男
第14回毎日映画コンクール
  • 日本映画賞:キクとイサム
  • 監督賞:山本薩夫
  • 男優主演賞:船越英二
  • 女優主演賞:北林谷栄
  • 男優助演賞:宇野重吉
  • 女優助演賞:吉行和子

この年の主な出来事

昭和34(1959)年
  • 皇太子殿下ご成婚
  • 伊勢湾台風
  • アラスカがアメリカ49番目の州に
  • 第3次南極観測隊が、タロ・ジロの生存確認
  • 巨人・長島茂雄、初の天覧試合でサヨナラ本塁打
  • 「週刊少年マガジン」「週刊少年サンデー」「週刊文春」など創刊
  • 児島明子「ミス・ユニバース」に