
フリーの望月優子が初の主演女優 新人賞に石原裕次郎
第8回(1958年2月11日)@国際観光文化ホール(東京・八重洲)
第5回に「晩菊」で助演女優賞を受賞した望月優子が、「米」「うなぎとり」で初の主演女優賞に輝き、「うれしいわ、本当に」と笑顔をこぼした。
当時はスターの多くが各映画会社と専属契約を結ぶ中、望月はフリー。「あたしたちみたいなフリーの女優はほかの女優さんと違って出演回数が少ないから、それだけ受賞のチャンスが少ないわけよ。だから、ここで一つ何かもらっておけば、会社の方も少しは違ってくるでしょ。これがダメならもう使ってもらえないんじゃないかしらと思ってね。一生懸命やってきた甲斐がありました」うれしさがコメントにもにじみ出ていた。
男まさりの、庶民の母を演じさせたら右に出る者はいないと言われた望月はその後、政治家に転身。71年に参院選全国区で社会党から出馬し3位で当選した。政界入りした女優第1号と言われたが77年に落選。その年12月に乳がんのため亡くなった。享年59歳。「米」の今井正監督は「芸熱心の塊のような方でした」と偲んだ。
第8回の受賞者・受賞作
- ■作品賞
- 「米」今井正監督
- ■監督賞
- 今井正「米」「純愛物語」
- ■主演男優賞
- フランキー堺「幕末太陽博」「倖せは俺等のねがい」
- ■主演女優賞
- 望月優子「米」「うなぎとり」
- ■助演男優賞
- 三井弘次「気違い部落」「どん底」ほか
- ■助演女優賞
- 淡路恵子「女体は哀しく」「下町」
- ■新人賞
- 石原裕次郎「勝利者」
- ■脚本賞
- 菊島隆三「気違い部落」
- ■技術賞
- 村木与四郎「蜘蛛巣城」「どん底」の美術
- ■企画賞
- 故・マキノ光雄「米」「純愛物語」「どたんば」「爆音と大地」
- ■音楽賞
- 団伊玖磨「雪国」「メソポタミア」
- ■大衆賞
- 渡辺邦男(大衆に親しまれる映画を数多く作った功績)
- ■特別賞
- 横山隆一(漫画映画「ふくすけ」を作ったおとぎプロの製作活動)
- ■外国映画賞
- 「道」フェデリコ・フェリーニ監督
- ■日本映画文化賞
- 故・マキノ光雄(その生涯を通じて日本映画界に尽くした功績)
- ■教育文化映画賞
- 「おふくろのバス旅行」
- ■ニュース映画賞
- 読売国際ニュース四五四号「ねずみ村のねずみ騒動」
- 邦画ベスト10
- 1.米(今井正)
- 2.純愛物語(今井正)
- 3.喜びも悲しみも幾歳月(木下恵介)
- 4.幕末太陽傳(川島雄三)
- 5.異母兄弟(家城巳代治)
- 6.気違い部落(渋谷実)
- 7.蜘蛛巣城(黒澤明)
- 8.どたんば(内田吐夢)
- 9.爆音と大地(関川秀雄)
- 10.どん底(黒澤明)
- 洋画ベスト10
- 1.道(フェデリコ・フェリーニ)
- 2.戦場にかける橋(デヴィッド・リーン)
- 3.宿命(ジュールス・ダッシン)
- 4.リラの門(ルネ・クレール)
- 5.抵抗(ロベール・ブレッソン)
- 6.翼よ!あれが巴里の灯だ(ビリー・ワイルダー)
- 7.カビリアの夜(フェデリコ・フェリーニ)
- 8.汚れなき悪戯(ラディスラオ・ヴァホダ)
- 9.屋根(ヴィットリオ・デ・シーカ)
- 10.昼下りの情事(ビリー・ワイルダー)